なついろ
「じゃぁ私こっちだから」
「じゃぁ」
そう言って俺たちは別れた。
あれ,彼女の名前って何?
「あのさぁ」
ふと立ち止まり振り返る彼女。
「名前何て言うの?」
「私?私は美夏」
美夏―ミカ―
背は高いほうで
ストレートの黒髪。
目もぱっちりしていて
声もカワイイらしい。
「・・美夏」
「そう,美夏。あなたは?」
「祐也」
「・・祐也」
「うん」
「じゃぁ・・ばいばい」
微笑みながら美夏は手を振った。
つられて俺も手を上げた。
ぎこちない手の振り方にクスクスと笑った美夏。
「美夏か・・」
のろのろと歩き出す。