双子ちゃんの恋模様


ゾロゾロと髪を染めていたり、ピアスをしていたり少し大人びて見える高校生たちが昇降口から出てきていた。


ブレザーの人たちがいるなか学ランの俺が一人。

…浮き過ぎだろ……。



校門に立っている俺はすれ違う高校生たちにちらちらと見られていた。


…もうちょっと後先考えて来れば良かった。



一旦家に帰ろうと最後に昇降口に顔を向けたときだった。




「…………っ……!」



みてられなかった。


じっと冷静に見てられるほど、俺は大人じゃないから。



俺は直ぐに顔を背けて走り出した。





深雪が他の男と一緒にいるのを見るだけで逃げ出すなんて


所詮俺はガキなんだ。


だって、見ただけで泣きそうにもなったんだから。





.
< 105 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop