双子ちゃんの恋模様


「忘れ物ない?」


「大丈夫!全部持った」


ブーツを履き終えた深雪は鞄の中をチェックしてあたしにピースサインをしてきた。


「気をつけてね」


「あ、今日晩御飯いらないってママに言っといてね」


「ははっ、りょーかい。
会えなかった分ラブラブしておいでねー」


ちょっとからかうと頬を赤く染めて「もうっ」と顔を隠した。


可愛いなぁ…。


「んじゃ、いってらっしゃい」


「沙雪…」


「ん?」


「まーくん、と仲直りしなきゃ駄目だよ?」


話したっけ?深雪に喧嘩したこと。ま、多分、雰囲気でわかったんだろう。


心配そうにあたしを見詰めてくる深雪にあたしは微笑み返した。





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