双子ちゃんの恋模様


正大の目を見ないで俯いているとあるものに目が止まった。


右手に提げる小さい紙袋。


確かに見える赤い包装紙で包まれたリボンのされているモノは、多分誰かからのプレゼントだろう。


「それ……」


あたしが指差す先はもちろん小さい紙袋。


正大はすぐにそれがわかって「あぁ」と呟いた。


「これは…」


「どうして?」


「は?……って…沙雪?」


「どうして、あたしより先に他の子から貰っちゃうの?」


見つめている先は正大のはずなのに、視界が歪んでちゃんと見えない。


ついでに言うと突然、体が動いたかと思えば歪んでいた視界が真っ黒になった。









正大に抱きしめられたから。





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