双子ちゃんの恋模様
「は…離してよっ……」
あたしまだ怒ってるんだから!
「やだ」
「…っ…やだじゃ、ないっ…」
ぐぐぐっと力を入れても男の正大には敵わなくて、むしろより強く抱きしめられる一方だった。
やだやだ……。
どうせ今日遅かったの、それ貰ってたからでしょう?
一緒に帰ってきたから遅かったんでしょう?
涙がぽろぽろと流れてきた。
同時に正大の溜め息。
どうしてあんたが溜め息つくのよ。あたしがしたいくらいだわ。
「馬鹿か?お前は。
何勘違いしてるかしんねーけど、そんなんで俺が離すわけねーだろ馬鹿」
「…だって……!」
こいつ、二回も馬鹿って言った!
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