双子ちゃんの恋模様
お母さんがいなかったら仕方ないけどさ。
恋愛話とか好きそうな沙雪には言ってはいけないことだったかもしれない。絶対、必ず家に帰ったら事情聴取されそう。
ううん。される。確実に。
やっちゃんもいるし、今から聞かれるのは困るから早く切り上げなきゃ。
「ま、そうゆうことだからお母さんに言っといてね」
『うんっ!!いっぱいラブラブしていっぱい話聞かせ』
―――ぶちっ。
きっと最後は“聞かせてね!”といってくる沙雪が想像される。
分かっていたからこそ、あたしは最後まで聞かないで電話を切った。
「やっちゃんお待たせっ」
「どーだって?」
「うん。お母さんいなかったけど多分平気。やっちゃんお母さんのお気に入りだし、沙雪にも言っとくように頼んどいたから」
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