双子ちゃんの恋模様


「はーなーしーてーっ」

「いーやーだ」


呆気なく捕まったあたしはやっちゃんの腕の中。



……もうっ!
こうなったらあたしが抜け出せないの分かっててやるんだから!


「深雪怒ってる?」

「………」

「みーゆきちゃーん」

「…怒って」


怒ってる。そう言おうとしたら突然降ってきたやっちゃんからのキス。


柔らかくて優しくて、いつも安心させてくれるやっちゃんのキス。


卑怯者。狡い。やっちゃんの馬鹿。


拒めないじゃない。



「…怒ってない、でしょ」

「…………うん」


頷くとやっちゃんはニコニコしてまたあたしを抱きしめた。


こんな笑顔見せられたらさっきまでのことなんかどうでも良くなっちゃって、あたしも思わず抱きしめた。




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