双子ちゃんの恋模様
耳にキーンと響いた沙雪のデカイ声。
理由はわからないけど、必死に帰ってきてと言うだけ言って一方的に電話を切った沙雪に嫌気がさした。
なんなんだ…!
人の甘い一時をって時に邪魔したと思ったら自分勝手すぎよ!
「なんだって?沙雪先輩」
「…よくわからないけど、帰ってきてって」
「……まじかよ…」
ベッドに俯せてショックを受けたように頭を抱えたやっちゃんに謝った。
でもやっちゃんはいつだって優しいよね。嫌なら嫌って言ってもいいのに。
「何かあったのかもしれないから帰りなね」
「うん…ごめんね。やっちゃんのママにも挨拶しなきゃ」
ガッカリしそうだな。やっちゃんママ超楽しみにしてたもん、あたしと寝るの。
荷物をまとめて、一階のリビングに下りた。
やっちゃんママは荷物を持ったあたしを見て、驚いた顔をする。
訳を話すと、明らかにガッカリした表情を見せるやっちゃんママにあたしは頭を下げた。
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