双子ちゃんの恋模様
いつも…我慢させてごめんね…。
でもその言葉は言わずに代わりに「ありがとう」を言った。
「8時くらいに玄関でまってるねっ」
「駄目です!
受験生なんだからあったかい部屋で待ってて」
”受験生“
今も…来年もあたしは受験生っていう言葉に縛られる。
「先輩?深雪せーんぱい?」
「あっ…うん!わかった
やっちゃんも温かくして来てね」
「はいっ」
それじゃ…と最後におやすみを言ってから電話を切った。
電話の終わりのツーツーという空しい音だけが響いた。
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