双子ちゃんの恋模様
春に進学し
夏を迎え
秋が去り
冬を迎えたこの頃。
もう風が冷たくてマフラー無しじゃいられなくなる季節に
あたしたち受験生は手に鉛筆を持って必死に動かしていた。
―キーンコーンカーンコーン
「はい。今日はここまで。残りは宿題にするのでしっかりやって来るように」
そう言って教室を出た数学の先生。
授業が終わった後でも少しぴりぴりした空気が漂っていた。
「深雪っ」
「ほのか。なーにー」
ほのかはクラスで1番仲の良い友達。
「今日、塾行くよね?」
「行くよ〜…勉強できないもん…」
そう、あたしたちは今年受験生。
学校行って塾行って繰り返しだ。
今じゃもう慣れたけど一年前のあたしは想像もつかなかったと思う。
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