双子ちゃんの恋模様


向きを変えてもう一度キスを落とすと抱きしめられた。


初めてのキスは優しくて温かく柔らかい極上のキスだった。


またやっちゃんから嬉しい気持ちを貰ってしまった。


あたしは何もあげられてないじゃない。


そう思っててもやっちゃんは無邪気な声で嬉しそうに

「ファーストキスでしょ?いただきぃっ」


「…っ!!」


って言うからいいかなとか思ったり。


そしてまたキスされたことを思い出す。


ヤバイ…絶対赤いよ。
タコだよタコ。
真っ赤なね。


「………っ……」


「…あっ」


キスの余韻に浸っているとやっちゃんが呟いた。



「雪だ…」


「…え…嘘…」


やっちゃんの胸から顔を離して空を見上げると


白い粒がパラパラと舞い降りてきた。





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