双子ちゃんの恋模様


「深雪先輩」


後ろから抱きしめられたままベンチに座っているとやっちゃんに呼び掛けられた。


「なぁに」


「先輩は俺に何かあげたいとか思わなくて良いんですよ」


「…………?」


いつも思ってることバレバレ?


あたしはやっちゃんの言うことを静かに聞いていた。


「深雪先輩の嬉しいことや楽しいことは俺にとっても同じなんです。
気付いてないけど先輩から沢山いろんなものを俺は貰ってるんだ。

だから何にも気にしなくていいんだよ」


だから

どうしてやっちゃんは

さりげなく優しい言葉を

言ってくれるんだろう。





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