双子ちゃんの恋模様


あたしは泣きそうになりながらも出てきそうになる涙を引っ込めて正大を呼んだ。


いつもと変わらず
やんちゃな正大を。

あたしがあなたを
好きなんだって
知らない正大を。


それからもあたしは自分の気持ちを隠して

幼なじみという関係をズルズルと引きずって過ごしてきた。


だって告白したって振られちゃうでしょ?あたし。


所詮、“幼なじみ”だもん。




「あ、新しい制服だ」


「うん!似合うでしょ?可愛いでしょ?」


似合うっていってよ。
可愛いっていってよ。


それだけであたしは満たされるんだから。





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