双子ちゃんの恋模様


「…………鈍感…」


「え?」


「なんでもねーよ!
先に帰りたければ帰れば?
深雪は待たせるけどな。お前と違っておしとやかで可愛らしいから誘拐されたらたまんねーもん」


カッチーン。

何それ。何それ。
意味わからない。


「あたしは深雪みたいに可愛くないから誘拐されないって言いたいの?」


あ、またやっちゃった。

売り言葉に買い言葉。


でも、止まらない。
あたしたちはそこまで大人じゃないから。


「そうだろ?喧嘩も出来るし、頑固だし、気強いし。誰も沙雪を連れてかねーよ」


「そーですか!どうせ深雪にも負けてるわよ!可愛くないのも知ってるし、誰も誘拐しようなんて思わないわ!」


言われると思わなかった。
深雪と比べられるとは思わなかった。


いつも周りから
「深雪ちゃんと沙雪ちゃんって似てるけど性格とか全然似てないよね」って言われてきた。





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