双子ちゃんの恋模様
「沙雪…ごめ…」
「触らないで!!!!」
あたしは、あたしに触れてこようとする正大の手を振り払った。
もう今更遅いよ。
謝られても過去には戻れない。
涙を流す前には…。
「沙雪…ゴメン。悪気はなくて…」
「でも…思ってた、でしょ…」
「…………」
「あたしは深雪と似てないって、もっと、深雪みたく素直になればいいのにって…!」
キッと睨んだ目の先には、今のあたしに困ってるような表情をする正大がいた。
「違うっ!!!!だから、今のは口が」
「口が勝手に開いて言ったって言いたいの!?」
否定したって、もう無理だよ。
例え否定されても、信じられない。
本音だったでしょ?
今言ったこと。
嘘だったでしょ?
昔から魔法をかけるみたいに「沙雪は沙雪だよ」って言ってくれたこと。
.