双子ちゃんの恋模様
好きになるだけ無駄でしょう?
あたしばっかりで、正大は何とも思わないんだから。
諦めたほうが、あたしの為。
やっぱ、自分から相手を愛すより、愛されるほうがあたしには合うもの。
「バイバイ。…もう、朝も一緒に行かないから…深雪と行ってね…」
こぼれ落ちてくる涙を拭いながらあたしは正大の顔も見ないで玄関に駆け込んだ。
「俺はっ――――――!!」
…もうやめて。
あたしに期待を持たせるようなこと、言わないで。
諦めるって決めたんだから。
心を乱させないで…。
『俺は、沙雪の傍なんか離れないからな!!』
あたしは一人、玄関の扉に寄り掛かりながら泣いた。
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