先生にキス〈3〉
「…お母さんに、私と先生が付き合ってること…話しました。」
「そっか…。話してくれたんだ…。お母さん、何だって?」
先生も緊張した面持ちで私の言葉を待つ。
「残念ながら、賛成してくれました。」
わざと、意地悪っぽく言ってみると、先生にはそれが分かったようで、ニヤリと笑みを浮かべた。
「“残念ながら”かあ…。和丘の素直じゃない答え方、俺は好きだけどな!」
先生は壁についていた片方の手を私の頭に優しくのせる。
「良かった…。俺、正直言ってドキドキしたよ。」
先生はホッとしたようで、和やかな笑顔を見せた。