先生にキス〈3〉
「曇っているっていうか、緊張してるんだよな、俺。」


「緊張…ですか?」



「そう。ほら、和丘のお母さんに一応挨拶に行くわけだからさ。いつもとは、ちょっと違うし…。俺、こんな風に彼女のお母さんに挨拶しに行くのって初めてだから。」



先生は恥ずかしそうに頭を掻く。



緊張してたんだ……。



まだ週の前半なのに、先生も今から緊張しちゃってるんだね。



「先生…私も一緒です。実は私も、今からドキドキしちゃってます。」



「和丘も緊張してるの?俺たち気が合ってるな。」



先生は重ねていた手を私の肩に回すと、私を先生の肩にくっつけるように抱き寄せた。



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