先生にキス〈3〉
「なあ、和丘?」


しばらく静かな時間が流れて、先生が口を開く。


「どうしたんですか…?」


私は先生の方を見ると、


「あのさ……」


先生は、そこまで言うと口を閉じてしまった。



「先生…?」



私は見上げるようにして、先生の顔を覗き込む。



「あ……時間。そうそう、和丘の家に何時頃行けばいいか聞いておこうと思ってたんだ。何時頃がいい?」


先生…今違うこと言おうとしてなかった…?



本当は何か別のこと…



言おうとしてたんじゃない…?



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