先生にキス〈3〉
「先生との今までの経緯は、幸歩から大体聞いていますので、分かっているつもりです。正直、綾月先生と付き合っていることを聞いた時は、驚いちゃいました。」
お母さんは、先生を前にニコニコした顔をくずさずに話す。
「すいません。もっと早く挨拶に来るべきだったんですが…。」
「いいんですよ!気になさらないで下さい。それにしても、こうして二人が並んでると先生と生徒には見えないですね。もう恋人同士に見える…。羨ましいなあ…!」
お母さんはアイスティーのグラスをテーブルの上で小さな円を描くように回す。
そうなのかな…。
私と先生って、お母さんだけじゃくて、他の人からもそんな風に見えてるのかな?