先生にキス〈3〉
「ここに入ってもいいって約束じゃなかったっけ?」


先生は私の部屋の前まで来ると、ドアを指差す。



やっぱり……



先生って、こういうことはちゃ〜んと覚えてるんだよな……。



「先生は、記憶力が優れてるんですね…。」



ドアの前でため息交じりに話す私。



「記憶力は普通だよ。ただ、俺がしっかり覚えておかないと、幸歩は忘れちゃうからな。」



先生はニコニコしながら、私の頭に手をのせる。



私は、“ふう…”と一息ついてから部屋のドアを開けた。



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