先生にキス〈3〉
「並木君……?」
私のクラスや、隣のクラスの女の子たち数人に囲まれている並木君が目に飛び込んできた。
『あっ!並木君が和丘さんにお知らせがあるみたいだよ!』
クラスの女の子の一人が私の背中を押して、並木君を囲む輪の中心へと連れていく。
お知らせ!?
「えっと……何?」
私が聞くと、私の手を掴んで女の子たちの囲む輪から出た並木君は、私の手の中に折り畳まれた紙を握らせた。
「後で見ておいて欲しいんだ…。わざわざ呼び出しちゃってごめんね。」
申し訳なさそうに謝ると、そのままA組へと並木君は戻って行ってしまった。
『和丘さん、もしかしたら並木君からのラブレターかもよ?』
え?
『和丘さん、クールな上に可愛いもんなぁ…!並木君にも好かれるの、分かる気がする!』
ええっ!?
並木君を囲んで話していた女の子たちが、何故か憧れの目で私を見る。