先生にキス〈3〉
「で…でも、わざわざ呼ばなくたって……。そのうちに見ていたと思うんですけど…。」



私はすぐに先生から目をそらす。



「和丘は、去年の5月に転入してきたし、この桜も咲いているところを見たことないから、和丘が気付くよりも先に見せたかったんだよな。俺の隣で、一緒に。」



それで、私を呼んだの…?


今、ドキッとしちゃったじゃん。



顔を背ける私の肩に先生は手をまわす。



またしてもドキッと心臓が高鳴った私は、先生をまともに見れなくて、視線を外の桜へと再びうつした。



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