先生にキス〈3〉
その日の休み時間…
「あ…」
次の授業のために教室を移動しようと廊下を歩いていた私は、バッタリと先生に会ってしまった。
なんか、こういうものだよね…。
あまり顔を合わせたくないなって思う時ほど、その人に会ったりしちゃう。
「和丘、どうした?朝も思ったけど、元気ないんじゃないか?」
先生は心配そうに私の顔を覗き込む。
「何でもないです…。ちょっと夜遅くまで起きていたので、眠いだけですから。」
「本当に?」
先生の言葉にドキッとする…。
「本当です。私、授業の移動中なので…行きますね。」
私は先生に心配な顔をさせないよう、笑顔で答えると、足早に教室へと向かった。