先生にキス〈3〉
「桜、好きか?」


先生が囁きかけるように低い声で聞く。



「はい…好きです。春らしいし、花も可愛らしいし。“和”の雰囲気が漂っていますから。」



「俺も桜が好き。和丘のことは、もっともっと好きだけど。」



はいはい…。何言ってるんだか。



私は、先生に構わず桜の方をずっと見ていた。



そよ風が花を揺らして、時折、花びらがひらひらと舞う。



先生が一緒ってのはともかく、桜はずっと見ていても飽きないなあ…。



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