先生にキス〈3〉
オルゴールのお店などを見て回った後、私たちは小樽運河にやってきた。



他にも一般の観光客もたくさん訪れているみたいで賑わっている。



橋の上から運河を見ようと、やってくると…



「そうだ!この辺で何か食べようよ。お腹すかない?」



梗子が突然、グループのみんなに提案をすると、みんな“そうだね”と言った雰囲気で頷く。



「じゃあ、決まり!幸歩、私たちは美味しそうな飲食店を探しに行って来るから、先生と一緒にここで待っててくれる?」



梗子は、同じグループの女の子1人と男の子2人の背中を押しながら、私にウインクをする。



「えっ…みんなで、一緒に探しに行けばいいじゃん。」


私も行こうとすると、梗子に正面から肩を押さえられて止められる。



「幸歩はここで、先生が他のグループに連れて行かれないように番をしてて!ねっ!」



私が言葉を返そうとする間もなく、梗子はみんなを連れて、飲食店を探しに行ってしまった。



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