先生にキス〈3〉
“先生の番をしてて”って言われても…。



みんなで一緒に行けば、それで済む話なのに。



「本谷、俺たちに気を遣ったみたいだな。」


先生は私をチラッと見る。


「修学旅行なんだから、気を遣わなくてもいいのに…。みんな一緒なんだし…。」



「修学旅行だからこそ、なんじゃない?一度しかない高校の修学旅行で、こうして二人になれる機会もなかなかないからさ。きっと和丘に良い思い出、作って欲しいなって思ったんだよ。」



うん……梗子の気持ちは分かる。



きっと、浮かない顔してる私を心配してたんだろうな…。



ホテルの部屋でも、“元気なさそうだけど大丈夫…?”って心配してくれていたし…。



梗子は、多分その原因が先生と一緒にいる時間が少ないからだって思ってるんだろうな…。



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