先生にキス〈3〉
「えっと……」



私は、先生の顔が見れなくて俯く。



ダメ……



言えないよ……。



言葉が胸につかえて出てきてくれない…。



「和丘?」



先生は心配そうな声で私を呼ぶ。



「あの………運河…初めて来ましたけど、レトロな雰囲気でなんかいいですね…。」



結局、先生への言葉が出てこない私は、違う話に変えてしまった。



「ああ、そうだな。俺は前に一度来たことあるけど、落ち着きがあっていい感じだよな。」



先生は運河を見ながら、深呼吸をした。



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