先生にキス〈3〉

「そうか…。」


先生は、まだ心配そうな顔をしたままで、私の前髪を掻き上げていた手を頬に滑らせると、涙のつたった頬を親指で拭った。



先生の温かい指先に、視界が少し歪む。



でも、泣いちゃダメ…。



泣いたって、何も変わらない…。



私が並木君の条件を受け入れることも、先生の彼女としていられるのが明日までってことも……



何も変わらないんだから…。



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