先生にキス〈3〉
「そういえば、梗子たち遅いですね…。どこまで行ってるのかなあ…。」



私は背伸びをして梗子たちが探しに行った方を遠くまで見渡した。



「そうだな…。きっと、美味しいお店を探すのに奮闘してるんじゃないか?」



屈めていた背を真っ直ぐにして先生はスッと立つ。


「ちょっと見に行ってみませんか?」



「ここで待ってるように言ってたんだし、大丈夫じゃないか?」



「でも…やっぱり心配だから行ってみます。」



私は探しに行こうと歩き始めた。



立ち止まっているよりも、歩いている方が、気が紛れるような感じがするんだよね…。



運河に沿って、少し歩いて行くと、



「あっ!幸歩と先生!」



その声に顔を上げると、梗子が同じグループの子たちと駆け寄ってきた。



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