先生にキス〈3〉
見てないようで、見てるんだから、すごいよね…。
「梗子、並木君のこと知ってるの?」
「もっちろん!陸上部のエースだもん。爽やかでカッコいいし。」
そっか…。並木君って何げに有名人だったんだっけ。
みんなには好感持たれてるんだよね…。
私は180度変わっちゃったけどさ…。
「で、何話してたの?…っていうか、並木君と知り合いだったんだぁ!」
梗子は興味津々といった感じで目をキラキラさせる。
「並木君とは、たまたま校内でバッタリ会ってからの知り合いなの…。さっきは、ちょっとした挨拶してただけ。」
表情を曇らせないように、喋るのが精一杯…。
梗子は鋭いから、誤魔化せるかな…って不安だったけど、意外と突っ込まれることもなくて、少し安心した…。
梗子、嘘ついてごめんね…。