先生にキス〈3〉
私と先生だけになった途端、一気に静まりかえる。



まるで、さっきまでのことが嘘のような静けさ…。



先生といることに気まずさを感じてしまう。



「俺たちも戻ろうか。」


先生は並木君に見せていた顔つきとは全く違う優しい笑顔を見せながら、私の頭の上に手をのせた。



「はい…」


私は、コクンと頷き先生の後に続いて歩き始める。



夜風がスーッと吹き抜けていき、さっきよりも寒く感じた。




私が少し体をさすると、先生は、それに気付いたようで自分の着ていたジャケットを私の肩にかけてくれた。



「寒かっただろ?大丈夫か?」



私は、“大丈夫です…”と言って頷いた。



先生が今まで着ていたジャケットだから、温かい…。


私は、羽織ってくれたジャケットが肩から落ちないように、ギュッと掴みながら歩いていた。



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