先生にキス〈3〉

溶かされる心

ホテルのロビーに戻って来ると、梗子が心配そうな顔をして迎えてくれた。



「幸歩…大丈夫?なかなか部屋に戻って来ないし、心配してたんだよ。」



私の肩に手を置いて俯く私の顔を下から覗き込む。



「私は…大丈夫。心配させちゃってごめんね…。」



私は小さな声で梗子に謝った。



「本谷、俺は和丘と少し話すことあるから…先に部屋に戻っててもらってもいいか?点呼も始まってるし…。」



「分かりました!」



梗子は先生に元気よく返事をすると、部屋の方へと戻って行った。



はぁ…


梗子にも心配かけちゃった…



「和丘、行くぞ。」



先生は私に優しく声をかける。



でも……どこに?



点呼があるなら、私も部屋に戻った方がいいんじゃないかな……。



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