先生にキス〈3〉
私は黙って先生の後についていくと…



「到着。入って。」



先生が足を止めたのは、ホテルの部屋の一室。



でも、この階…私たちの宿泊する階じゃないや…。



私は先生に言われるがままに中に入った。



中はツインルームのようで、二つのベッドが並んでいる。



「あの…先生、この部屋って……」



「ああ…ここは、急に体調が悪くなった生徒が出たりした時に使うために予備にとってある部屋だよ。」



先生は部屋の明かりを点けた。


そんな部屋があるんだ…。

私は部屋の入り口から中の方へとゆっくり歩いていく。


「この階には職員が泊まることになってるんだ。俺が泊まる部屋も、この部屋の隣の隣だよ。」



なるほど…。この階に先生方が泊まるんだ…。



「和丘、ちょっと座って待ってて。」



先生は私に声をかけると、部屋を一旦出て行った。



私は、何となくベッドに座って部屋の中をグルッと見回す。



先生…話すことがあるって言ってたけど、何だろう…?



やっぱり内心は、怒ってるよね…きっと。



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