先生にキス〈3〉
「先生、もう点呼も終わってるんじゃないですか?私も部屋に戻らないと流石にマズいと思うんですけど…。」



顔を正面に向けて少し頭を起こす。



「まだ点呼中だと思うよ。だいたい一部屋に2,3人しか生徒がいないから、時間が意外とかかるんだよな。しかも、俺はここにいるから人手も少ないし…。」



そっか…。大部屋じゃないから先生方も見回るのって大変だよね…。



「だから、あと10分くらいは二人でいても大丈夫だよ。」



どこから“10分”っていう時間が導き出されたんだろう…。


ここ数日間、宿泊先で点呼してきた先生の勘かなあ?


「せっかく和丘に笑顔が戻ったんだから、もう少し和丘のこと見ていたいんだ。」



先生の視線が私を捉える。


「でも、いつまでもこの部屋にいたりしたら…」


すぐ隣だって先生方が泊まる部屋なんだし、怪しまれちゃうかもしれないよ…?



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