先生にキス〈3〉
北海道から飛行機で戻って来た後、学校まで帰るために、再びバスに乗り込む。


席は行くときと一緒だから、隣はもちろん梗子。



「幸歩が元気になって、良かった〜!昨日だって、夕食後に全然戻って来なかったから本当に心配したんだよ!」



私が窓際の席に腰掛けた途端、梗子が話し始める。



「ごめんね…。心配も迷惑もかけちゃって…。」



私が謝ると、梗子はニッコリと笑いながら頷いた。



昨日、部屋に戻った後、梗子には少し今回の事情を打ち明けた。



ずっと私と先生の間で何かあったんじゃないかって心配してくれていたから、話そうと思ったんだ…。



梗子は“苦しかったでしょ…?”って悲しそうな顔をしながら、私を抱きしめてくれた。



私は、梗子の心配してくれていた温かい気持ちに、また熱いものが目に込み上げてきたんだ…。




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