先生にキス〈3〉
「幸歩…。もしも、オルゴールを見ることで、あの時の嫌な思い出が甦るんだったら、無理しなくていいからな。」



先生は肩に手を回して抱き寄せる。



「あの時は苦しかったけど、最後は笑顔になれたし、先生と二人だけになれたホテルでの時間は、嬉しかったです。先生のおかげで、私の修学旅行もいい思い出に変わりました…。だから、大丈夫です。」



「…そう言ってもらえると、俺も嬉しい。少しは幸歩の力になれたのかな…?」


不安そうな顔をしながら、聞く先生。



「少し…なんかじゃないです。私の心がほかほかになるくらい温めてくれたんですから、先生の力は、とっても大きかったですよ。」


私は先生の肩に頭をもたれかけた。




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