先生にキス〈3〉
「友達とお花見かあ…!あんまり遅くなり過ぎないようにね。楽しんでらっしゃい!」


「ありがとう。行ってきます!」


お母さんの笑顔に手を振りながら、私はマンションの駐車場へと急いだ。




「幸歩、ちょっと遅刻。」


車の前で腕時計をしている手を胸の前に上げて、待っている先生が視界に飛び込んでくる。



「遅刻してませんよ!私の時計は、待ち合わせ時間より少し前です。」



そう言って腕時計を先生に見せようと腕を伸ばすと、そのまま先生は私の腕を掴んで引き寄せる。



「じゃあ、二人の時計の間をとれば、ちょうど時間通りだな。」



先生は、私の前髪を掻き上げると、おでこに優しくキスをした。



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