先生にキス〈3〉
「いえ…何でもないです。」


私は首を横に振りながら、シートベルトを締めた。



先生は車のエンジンをかけると、駐車場から出て道を走り始める。



夜の街並みを軽快に走っていく先生。



私は先生の横顔を時々見ながら座っていた。



「幸歩は夜桜って見に行ったことある?」



静かな車内で先生が口を開く。



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