先生にキス〈3〉
「帽子被っていれば、多少は顔が見えにくいから、いいかな…と思って買ってみた。一応、幸歩に似合いそうな帽子選んだつもりだけど、気に入らなかったらごめんな。」



そう言うと、私が手に持って見ていた帽子を再び頭に被せてくれた。



きっと人が多くてバレたりするのが心配だってこと…気にしてくれたんだ…。



確かに帽子を深めに被っていれば、何も被らないよりは人にも顔とか見られにくいもんね…。



わざわざ買いに行ってくれたの…?



新学期だって始まったばかりで毎日忙しかったはずなのに…




そう思うと胸がキュッと熱くなっていた。



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