先生にキス〈3〉
「あの…ありがとうございます。帽子…可愛くて気に入りました。」



少し照れくさくて、小さな声になってしまった。



「そう言ってる幸歩がめちゃくちゃ可愛い。」


先生は微笑むと、自分もグレーのキャスケットを被り、私の手をギュッと握った。



「よし。準備も整ったし、桜を見に繰り出すか!人が多いから、はぐれないように手は握ったまま離さないからな。」



私たちは、ゆっくりと歩き始める。



先生がこれだけしっかり手を握ってるから、例え私が離そうとしても、離れられないだろうな……。



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