先生にキス〈3〉
「どうかした?」


私の視線に気付いたのか、先生が私の方を見る。



「いえ…何でもないです。」


「歩く速さ、大丈夫?」


「ちょうどいいです。」


私がそう答えると、先生はにっこりと笑った。



「手も痛くない?幸歩を離さないようにと思って、つい力が入っちゃってるんだけどさ…。」



「出来れば、もうちょっと緩めてほしいです…。それに、もしも手が離れちゃっても迷子になったりしないから大丈夫ですよ?」



そう言うと、先生が歩いていた足を止めた。



< 72 / 340 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop