先生にキス〈3〉
先生は、さっきよりも力を少し緩めて手を握ると、また歩き始めた。



どこを見ても満開の桜。


淡いライトに照らされて幻想的な雰囲気を醸しだしている。



ただただ私は、その桜を夢中で見ながら歩いていく。



「どう?夜桜は。」



「綺麗です。昼間の桜もいいけど、夜も素敵ですね。」


人がいっぱいいるからって行くこと……敬遠しなくて良かった…。



「だろ?幸歩と来れて良かったよ。」


先生が私の顔を覗き込むようにして笑顔で言った。



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