先生にキス〈3〉
「幸歩とのキスに夢中になってたら、見るの忘れてた。」



先生は、ニヤッと意地悪っぽく笑う。



「普通、忘れますか?」



「幸歩だから、忘れたんだろうな。桜の花びらよりも幸歩のことを想いながらキスしていたいし。」



髪を撫でていた先生の手は、私の頬に触れる。



触れられた温かい手のせいか、顔が途端に熱くなる。


「もう……。それじゃあ最初に、そんなこと言わないで下さい。」



私は伏し目がちに言った。


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