特等席はアナタの隣。
「じゃあさ、それちょうだい?」

高橋君が目の前に立ち、お弁当箱を指差した。


「えっ……ちょっとそれは、」

「食べないんでしょ?それ。じゃあ、貰ってもいいじゃん」

私の言葉を聞かず強引にお弁当箱を奪う。



「や!……ちょっと!!」

返して!と高橋君に詰め寄るけど、ひょいとかわされる。


「俺が食べてあげる。……俺が貰うから」

意味深な言葉でにやっと笑う高橋君に、ゾクっと背中が寒くなった。


< 315 / 412 >

この作品をシェア

pagetop