特等席はアナタの隣。
「はあぁぁあっ!?ねぇの!?弁当!!」

和泉君がガクッと肩を落としている。


お弁当は奪われたまま、あれから高橋君と別れ、急いで図書館に向かった。


「ご、ごめん!!……つい忘れちゃって…。その代わり、購買でパン買ってきたから!」

ほら!とパンを机に置く。

じとーっと責めるような視線で見てくる和泉君から目を逸らした。


高橋君に取られたとはいえ、あげてしまったのは事実。
本当のことを和泉君に言えなかった。

< 316 / 412 >

この作品をシェア

pagetop