特等席はアナタの隣。
いつものように、1人で先に教室へ帰る。

階段を上がり教室へと続く廊下を曲がろうとした時、壁に背を預けて寄りかかっている高橋君がいた。

グッと足が止まる。


「モカちゃん♪」

こちらに気付いた高橋君が近付いてきた。


「教室行ってもいないからさ。…どこ行ってたの?」
麻美や慎も教えてくれねぇし、と呟く。


「…別に。…ちょっと気分悪くて1人になれる所に…」

思いっきり嘘をついた。

< 325 / 412 >

この作品をシェア

pagetop