特等席はアナタの隣。
話してみると、黒崎君のイメージが変わった。

クールで無愛想じゃない、ちゃんと喋ってくれるし会話も楽しい。…ちょっと意地悪だけど。


でもやっぱり笑顔にはドキドキする。
笑った顔の方が断然魅力的だから。


勉強を終え、他愛もない話をしていると、あっという間に休憩時間の終わりを知らせる予鈴がなった。


「よし、じゃあ帰るか」

「うん、そだね。ありがとう。助かっちゃった」

「どーいたしまして。…浅野先に帰りな?俺はあとから戻るから」

「え?なんで?どうせ同じ教室に帰るのに…」


…あ、そうか。
私なんかと一緒にいるところ見られたくないか…。

胸がちょっと痛い…。

「分かった。先に帰るね?」


参考書をしまい、黒崎君を残して図書館を出た。


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