特等席はアナタの隣。
それから一週間。

高橋君は私が1人の時を狙って、何かと話しかけてきていた。


休憩時間や掃除の時間。
そして今は、放課後の下駄箱。

「モカちゃん、一緒に帰ろ♪」


「…あの、高橋君…。前にも言ったと思うけど、高橋君の気持ちに応えられないから…。悪いけど、こういうの…困る」


「…俺も言ったよね?諦めないって」

高橋君が不敵に笑う。


「でも…!」


私の言葉は聞かず、手を掴んで無理やり引き摺るように校門へ向かっていた。

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