特等席はアナタの隣。
まさか…!?和泉君…!?

恐る恐る振り返ると、そこにはユニフォーム姿の慎君がいた。

「……慎…君」

少しホッとする。


「お前練習サボって何やってんだよ…。…モカちゃん嫌がってんだろ!」

声を荒げて高橋君から私を離した。


「何って…モカちゃん口説いてんの♪」

怒っている慎君とは対照的に、楽しげに答える高橋君。

「お前…いい加減にしろよ…」

そう呟いたあと、慎君は私に向き直り、

「あとは俺が何とかするから、帰りな」

と、背中を押してくれた。

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